In recent years, with the development of experimental methods, various characteristics of a single-molecule junction composed of a molecule sandwiched between metal electrodes have been clarified[1-4]. The single-molecule junction is expected as a material to realize a high efficient thermoelectric conversion device from its large Seebeck coefficient[5,6]. It's necessary to measure the thermal conductivity of single-molecule junctions for determining the conversion efficiency. The thermal conductivity measurement methods of them haven't been established.
I prepared microscale thin-film thermocouples on polyimide substrates commonly used for single-molecule junctions[7]. The thermal electromotive voltage and its accuracy were increased by controlling the thickness of thermometers. I measured the temperature gradient of substrates and examined its thermal insulating property.
二つの電極間に、一つの分子が架橋した構造を単分子接合とよぶ。 単分子接合の作製技術の進歩により、電荷輸送に関する測定が可能となり、 分子ダイオード[1]や電界効果トランジスタ[2]、磁気抵抗効果[3]、スピンバルブ[4]など、様々な特性が報告されている。
私は、単分子接合の熱伝導に興味を持った。 なぜなら、近年、単分子接合の熱電変換に関する研究[5,6]が報告されており、 高効率な熱電変換に必要である高い電気伝導度と低い熱伝導率、大きなゼーベック係数を同時に実現可能な系として注目されているが、 その熱電変換効率を求めるには、従来の電気的な測定に加えて、熱伝導率の測定が必要となるためである。 しかしながら、単分子接合の熱伝導率については未だ測定手法が確立されていないため、 この測定手法を開発することを本研究の目的とした。
前回の発表では、単分子接合の熱伝導率測定に向けて必要不可欠である微小な温度計について、 電子線リソグラフィ技術を用いてシリコン酸化膜基板上に作製し、その特性について簡単に評価した結果について述べた。 今回は、前回作製したデバイスの問題点を改善し、 実際の単一分子計測で使用されるポリイミド基板[7]上への熱電対作製と、その校正および温度測定について述べる。